2018年3月27日火曜日

Pokemon GO オートキャッチャー GO-TCHA の性能は!?

Pokemon GO のオートキャッチャー「GO-TCHA」を 1 ヶ月ほど使ってみました。結論から言えば短期間でのレベルアップやポケモン強化には超おすすめです。

こんにちは。久しぶりに Pokemon Go を起動したら近所のジムのトレーナー連中が軒並みレベル 35-40 になっていて全く歯が立たなかったので、悪い大人なのでお金で解決してしまいました。

元々 Pokemon Go には公式のリストバンド型デバイス Pokemon Go Plus というものがあります。これはアプリを起動していなくてもポケモンが現れると振動し、ボタンを押すと確保動作に入ってくれるものです。GO-TCHA はさらにそのボタンを押す操作も完全自動化したサードパーティ製デバイスです。

良いところ

GO-TCHA の良いところと Go Plus の良いところ併せて。

  • 調子が良いとポケモンもポケストップも根こそぎ確保して行きます。マジで地引き網とかフルオートのマシンガン並です。歩いた後にはぺんぺん草も生えていません。
  • アクションが迅速。調子が良いときはポケモンが画面上に表示される前に決着が付いています。特に車や電車で移動中に一瞬だけレンジインしたかな? という微妙な時でもポケストップを回していたりします。
  • アプリを起動していなくても歩行距離が加算される。スマートフォンで Twitter や他のゲームをしていても GO-TCHA が動いていれば歩行距離が加算されるようです。なので移動しているだけでタマゴがポンポン孵化しますし、相棒のアメも確保できます。これは地味にうれしい。
  • LED がわりかし綺麗でかっこいいです。
  • Go Plus は電池式なため数ヶ月に 1 度開けて交換する必要がありますが GO-TCHA は USB 充電式です。起動しっぱなしでも丸1日~2日程度はもちますし、出先でもモバイルバッテリーがあれば充電できます (充電電力が弱すぎてモバイルバッテリーが OFF になってしまうのでスマフォ等と一緒に充電する必要がありますが)。
  • GO-TCHA とマニュアル操作は独立しています。つまり 2 人で操作しているようなものです。ポケストップ回しや雑魚ポケモンは GO-TCHA に任せ、珍しいポケモンや難易度の高いポケモンは手作業で捕まえるような操作がオススメ。ジム戦やレイドバトル中もバックグラウンドで動いてくれます。
  • iOS/Android 用の専用アプリがあって設定やファームウェアが更新できます。
  • バックグラウンドで実行しているだけなら電車や車の速度制限に引っかからないかも? かかっているとしてもリカバリー即アクション可能なので手で操作しているより遙かに効率は良いです。

Pokemon Go アプリや iOS/Android スマートフォンからは Pokemon Go Plus として認識されるので Go Plus でできること、できないこと、良いところ、悪いところもそのまま引き継がれています。

悪いところ

とはいえ良いことばかりでもありません。ニッチゆえに取っ付きづらくそれなりにハードルの高いデバイスでもあります。

  • 一応 NIANTIC や任天堂公認のデバイスではないことは意識しておかなければなりません。ある日突然対策され使えなくなっても、違法行為と見なされてアカウントが BAN されても自己責任です。
  • すぐ反応するときと全く反応しないときの差が激しい。特に立ち止まっているときはポケモンもポケストップもなかなか見つけません。これは Go Plus でもそのようですが。
  • バッテリーと通信量の消費が激しい。画面操作をしていなくてもアプリをフル駆動させているのと同じなので当然なのですが。バッテリーのへばったスマートフォンでは 1 時間保たないかもしれません。モバイルバッテリーの携帯必須です。
  • これも Go Plus も同じかも知れませんが Pokemon GO や iOS がカクカクしたりフリーズしやすくなりました。機種が古いせいもあるかもしれませんが。
  • アプリ側で「ポケモンの通知」「ポケストップの通知」を OFF にするとそれらのアクションを行わなくなるような気がします。なのでそれらは常に ON 前提なんですが、密集地を歩いていると画面上部からピロピロと通知が出てうるさい感じです (誤タップもするし)。
  • 同様に、デバイス側で「ポケストップを回す」「ポケモンを捕まえる」「未確保のポケモンを捕まえる」を OFF にすると全くアクションをしなくなる気がします。ここらへんオプション機能はあっても選択の余地はないようです。
  • バイブレーションが力強すぎて振動音がビービーとうるさいです。電車の中でもうるさいと感じるレベル。これは静かなカフェやデスクワーク中に ON にできるようなレベルではないので常時 OFF 前提です。せっかく機能があるのにもったいない。
  • ボタンのクリック感がない。最初はどう操作して良いか分からずほんと戸惑います。
  • すぐにポケモンや道具がいっぱいになってしまいます。ポケモンを捕まえるゲームから溢れたポケモンとアイテムをこまめに選別しなければならないゲームに変わります。オートキャッチャーとはいっても放置ゲーになるわけではありません

GO-TCHA 豆知識

  • 元々、イギリスのメーカーが Go Plus のファームウェアを解析して作ったのが GO-TCHA との話。そして GO-TCHA と見た目全く同じにパクった中国のメーカー製も出回っていますが、なぜか Amazon では中国製の方が高価です。
  • 充電デバイスに刺さっている状態だと Pokemon Go と接続できませんが、接続した後に充電デバイスに刺せば充電しながらオートキャッチが機能します。
  • 何かの拍子に Pokemon Go と通信できなくなり、デバイスをタップしてもすぐに LED が消えてしまうような状況になりました。見た目ハードウェアリセットがかかっているように見えたので壊れたかと思いましたが、iOS の Bluetooth 設定から一度「Pokemon Go Plus」を削除し、再ペアリングしたら機能するようになりました。

2016年10月7日金曜日

一万円台の万年筆では最高の書き心地 ~ Pelikan Classic M200 マーブルグリーン M

Pelikan Classic M200 マーブルグリーン M を半月ほど使ってみました。Pelikan といえば Souverän (スーベレーン) が定番なんですけど Classic は Souverän の書き心地を維持したまま廉価化したモデルと言ったところですかね。

Classic M200 は Souverän M400 と同じ大きさで平均的な男性/女性両方の手に合わせています (傾向として日本人女性の手に Pelikan は少し太めかもですが)。下の写真は WATERMAN METROPOLITAN ESSENTIAL F と並べていますがほぼ同じ長さですね。

文字の太さは M ですが写真の通り WATERMAN F とほぼ同じか若干太いかな? といったところ。ボールペンで言えば 0.6mm といったところかな。あまり細いと万年筆特有の書き心地が犠牲になりますので、一般的には M か、字が小さめの人は F か、といったところでしょうか。

限定色のマーブルグリーンは既に生産が終わっていてどんどん Amazon から消えていますので見かけたら早いところ購入することをお勧めします。後継で出荷を始めたばかりの マーブルブルー も良さそうですね。

特筆すべき滑りとインクフローの良さ

WATERMAN との写真は同じインクを使っていますが Pelikan の方が濃く出ているのが分かるでしょうか? Pelikan の方が格段にインクフローがよく、万年筆の書き心地を表すのによく言われるインクドバドバというやつです。

そしてペン先は適度な抵抗を伴いながら引っかかりもなくヌルヌルと滑ります。インクドバドバ、ペン先ヌルヌル… これは気持ちが良い! エンスージストがしばしば使う

熱したナイフでバターを切るような感覚

というフレーズがまさにぴったり。LIFE やミドリのノートなら脳から変な汁が出るレベル。あの悪名高き MOLESKINE のざらついた低質紙(便所紙、わら半紙) を以てしても何とか許せるレベルになります (にじみと裏抜けは酷いですが)。なお細めの F だとこのぬるぬるどばどば感が低くなりますので個人的には M をお勧めしたいところです。

Souverän M400 が 25,000 円前後に対して 10,000 円少々でこの書き心地が味わえるのはお買い得。1 万円台の万年筆では上位 3 位内でオススメできる (少なくともぜひ試し書きしてもらいたい) 万年筆だと思います。

モノとしての安っぽさは好みが分かれるか

廉価版のポジションなので仕方がないですが、プラスチッキーな外観から見た目はどうしても安っぽい印象が先行しますね。持ってみたときもそのプラスチックっぽい軽さでチープさに拍車がかかります。軽すぎて重心が安定しないため最初は手首が疲れました (慣れますが)。書き心地に全てのコストをステ振りしたんでしょうかね。

万年筆好きにとってこの書き心地が安価に味わえるのは嬉しい限りですが、万年筆の購入者は高級感重視のプレゼント目的も多くいるでしょうし、その点が引っかかって手放しに誰でもオススメできるわけでもないなと思うところです。

もし少しでも高級感のある万年筆が良いのであれば、同じ価格帯なら PARKER SONNET の方がオススメ (SONNET も十分ヌルヌルドバドバです)。この書き心地で高級感も必要というのであればワンランク上げて Souverän を検討しましょう。

ただこの安っぽさは慣れの問題でもあって、特出した書き心地のおかげで 2-3 日したら気にならなくなりました。

その他に気になる点など

カートリッジ/コンバーターがない … Pelikan Classic は本体吸引式のためカートリッジのように取り替えが出来ません。外出中にインク切れを起こすと使い物にならなくなりますのでインクボトルと同じ場所で使うのが良いと思います (もちろん購入時に最初に使う時にもボトルインクが必要です)。その反面カートリッジよりインクタンクの容量が大きいので一度の補充で長持ちします。

インク残量が分からない … これはマーブルグリーン特有の話ですが本体が不透過なので仕方がないですね。突然のインク切れに対処できるように、カートリッジ問題と併せてインクボトルをおいている机上で使うのが良いと思います。インク残量を見る必要があるなら Classic のデモンストレーターですかね。

2016年8月31日水曜日

モレスキンよりはマシなノート 〜 LEUCHTTURM1917

染料インクでも裏抜けしないモレスキンもどきと噂の LEUCHTTURM 1917 を買ってみました。外装の印象や持った感触はほぼモレスキンですね。早速、手持ちの万年筆 WATERMAN Metropolitan Essential F + iroshizuku で試してみます。

ちょいと太めに出る印象。M 以上の太さだとにじみも伴って文字を大きく書かざるをえないので F かそれ以下の万年筆が合ってるかな。

確かにモレスキンのようなひどい裏抜けやにじみはありませんでしたが、安っぽいザラ紙のような筆記感はモレスキンと同じですね。実際、触った感じも今時の普通紙に劣る黄ばんだ紙のように思えます。透けも実用に支障はないとはいえ割と濃い目に出ていて気になる人は気になるでしょうね。

うーん、これで 2,300 円か。中の紙がノーブルノートか MD であれば言うことないんですけどね。紙質は量販ノートかそれ以下と言わざるを得ません (個人の感想です)。

万年筆視点での総評

  1. モレスキンを買うくらいならこちらの方が良い。少なくとも筆記の目的を著しく阻害はしない。
  2. この外装やブランド、歴史感のためなら多少の不具合や不快感を許容できるというのであればアリ。
  3. 書き心地やコスパを重視するであればお勧めはできない。

2016年7月14日木曜日

洗髪ローテーションのススメ ~ ミヨシ石鹸 頭皮をあらうせっけんシャンプー & アミノシールド ソープD

臭いには敏感な方です。そして石鹸マニアです。

夏がやってきましたね。

ここ数年、ノンシリコンシャンプーの普及と共に電車の中でフケの臭い (酷いとおっさんみたいな加齢臭) を振りまいている若い女性が増えてきました。うーん、もったいないな。臭いの原因は洗浄力の弱いノンシリコンシャンプーの常用ですかね。

最近は量販シャンプーの主成分であるラウレス硫酸 Na 系の悪評が世間に広まって喜ばしい限りなんですが、ノンシリコンのような髪や頭皮に優しいとうたう商品はやっぱり洗浄力を弱めに設定されているものが多くて世の悪臭の原因になっています。

男性向けシャンプーでも洗浄力の弱さ = 爽快感のなさをメンソール成分でごまかしている商品が多くて何だかなぁという感じ。臭いは香水で管理するんでメンソール臭など管理外の臭いを強制されるのは遠慮したいんですよね。

というわけで

  • フケや頭皮の脂、臭いが気になる!
  • 髪や頭皮を清潔に保ちたい!
  • でも髪のコンディションは良い状態を保ちたい!

と考えている人向けにあれこれ試した結果行き着いた所を教えます。

MIYOSHI 頭皮を洗うせっけんシャンプー

前置きはこのくらいにして。

この MIYOSHI の頭皮をあらう石鹸シャンプーは今時のシャンプーではありえない弱アルカリ性です。つまり THE 石鹸 (ボディソープではなくて固形石鹸の液体版ね)。使った印象はそのまんま、マイルドな石鹸で頭を洗うと同じ。単体だとキシミとゴワつきが酷いので専用リンスが必須なんですが、その対価に

洗い上がりのさっぱり感が半端ない!

これ。

さすが人類 5,000 年の歴史を持つ偉大な石鹸、汚れ落ちは頭皮神経のレベルで感じます。しかもその爽快感が一日持続します (個人の感想)。微妙なノンシリコンシャンプーって一日中もっさり感ありますよね。あれがない。そしてメンソールのように人工的なものではなく本質的な爽快感です。

ただやっぱり弱アルカリ性だけあって常用していると髪がゴワついてどうかなぁという感じはあります。ではどうしたら良いか?

髪や頭皮のことを考えると洗髪は三日に一度で良いと聞いたことがありません? 多忙で 2-3 日風呂に入れなかった後にシャンプーして汚れを洗い流した髪って経験的にコンディションが良いんですよ。なので私はこの話は支持しています。つまり、この石鹸シャンプーをシャンプーとして 2~4 日に一度使い、それ以外は汚れの洗い流しと考え普通のノンシリコンシャンプーを使うというローテーションで行っています。これがまた素晴らしく良い!

しっかり洗いたい季節とそれほどでもない季節とで好きに調整できるし、髪の状態もよく頭皮の汚れや臭いもなく毎日がさっぱり。日常の QoL が上がります。どちらか常用だとゴワつきかもっさりかになってしまうんですよね。

髪質にも寄りますが坊主刈り~ベリーショートなら常用できるかな。高校球児を持つ親御さんぜひどうぞ。ただ中~長髪などどうしても髪に合わないと思う方はいると思います。その場合はマイルドな石鹸系ボディーソープとして使い切れば良いでしょう。

なお専用リンスとセットが必須と思ってください。他のシャンプー商品の「リンス」と言われるもので弱アルカリ性を前提に中和できるものは今時ありません。中和するなら同じだろと一時期台所用のクエン酸を試してみましたがやっぱり専用リンスの方が全然良いです。

アミノシールド ソープD

せっけんシャンプーと併用しているノンシリコン系のシャンプーの方もかなりお勧めなので併せて紹介しておきます。このアミノシールド ソープ D、少量できめ細かいクリームのような泡立ち、ふわりとかるい柑橘系(というかまさにみかん)の香り、そして何よりノンシリコンながらそこそこ洗浄力もあって洗い上がりもさっぱりし、洗った後の臭いがないというまさに私にぴったりなゼロ減点シャンプーです。

男性向けシャンプーを考えると少々割高ですけど、泡立ちがよくポンプ 1/3 押しくらいで十分に洗えるのでコスト感はそれほど悪くないです。お試しで 250mL、気に入ったら 500mL と買い分ければよろしいが、私を信じて単価の安い 500mL 行ってみる? 他にもソープ S や D があるんですがそちらも近いうちに試したいと思います。

ちなみにコンディショナーについてはコレといって琴線に触れたものは試せていないのでここでは紹介はまだ控えさせて頂きます。

2014年9月16日火曜日

MOLESKINE の代用ノート比較

万年筆を使い始める ≒ ワンランク上の文房具に興味を持つ、というところの人が (私を含め) 踏むのが MOLESKINE 地雷。あのにじみ、透け、裏抜けの激しい紙は万年筆にには禁忌レベルですが、やはりあの手になじむ撥水合皮のハードカバーとゴムバンドは便利なので何とかしたい! と何度かお悩み相談を受けましたので代用になりそうなノートを挙げます。

モレに似たスタイルでどの万年筆向けにも次第点を出せるとなるとなると若干ふかふかですが撥水合皮のハードカバーとゴムバンドの付いた RHODIA WEBNOTEBOOK ですかね。ど真ん中のロゴと RHODIA カラーが主張しすぎなところはありますが、横罫、方眼、無地とバリエーションもそろっています。

輸入品やショップブランドのオリジナルで出しているところもありますが、あまり店頭で見られない & 高価なので誰か試してみて下さい。

ゴムバンドは無くても良い (好みのものを購入します) というところまで妥協できるなら無印良品のハードカバーノートがコスパ高いです。無印は商品企画屋で基本 OEM で作るので中身はマルマンあたりの上質紙だと思います。ただウチの万年筆だとにじみや透けが出るので万年筆前提の人はご確認下さい。また外装は合皮でなくてもハードカーバであれば良いと言うのであれば (リングですが) ゴムバンド付きのノートもあります。

MORESKINE のような撥水合皮で挙げると以下のようなものがあります。

名前 外装 カバー 留め具 紙質 価格帯
RHODIA WEBNOTEBOOK 撥水合皮 ハード ゴムバンド ★★★ A6:¥1,700、A5:¥2,600、A4:¥4,000
ciak standard 撥水合皮 ソフト 丸ゴム ★★☆ S(B6弱):¥1,600、M(B5弱):¥2,700
ZEQUENZ 360° 撥水合皮 ソフト なし ★★☆ ¥1,000~1,500
無印良品 ハードカバーノート 撥水合皮 ハード なし ★★☆ A6:¥800
ダイソー モレもどき 撥水(?)合皮 ハード ゴムバンド ☆☆☆ ¥100
MOLESKINE 撥水合皮 ハード ゴムバンド ☆☆☆ (A5弱)¥2,000

外装が MOLESKINE、紙がミドリ、ライフ、マルマンあたりの上質紙を使ったノートがあれば私も長く愛用できそうなんですけどね…

満寿屋 MONOKAKI N3

浅草 満寿屋(ますや) (滿壽屋) は川端康成や三島由紀夫、高村光太郎、司馬遼太郎などなど、名だたる文豪たちが愛用した老舗の原稿用紙メーカーです。今日はそのノート MONOKAKI N3 (B6 9mm グレー横罫) を試してみました。

見た目や手触りは原稿用紙… というよりすき紙を使った表紙や作りが式典で使う芳名録のような印象。9mm 17行という太めの行も筆を想定しているのかな? という感じです。中の紙はクリーム色と聞いていましたが、自然でそれほど気にならず主張するような色合いではありませんでした。

早速手持ちの筆記具で試してみます。

おお、これは良いぞ! 良い筆記感!

万年筆は M や B あたりの若干太めが書きごたえがあって "モノ書いてる" 満足度が高いんだけど、一般の 7mm 罫で画数の多い漢字を書くには太すぎるんだよねー。この太めの 9mm 罫は PARKER Sonet M (iroshizuku 竹炭) には丁度良く、筆の滑りも重すぎず軽すぎず至極心地が良い。もちろん引っかかり感はない。9mm が太すぎるのであれば無罫を選んでもいいかも。

WATERMAN Metropolitan Essential F (iroshizuku 竹炭)、CROSS Medalist F (純正カートリッジ)、LAMY JOY (純正カートリッジ) も滑りが良くにじみもない。Mitsubishi Jetstream 極細 (ボールペン)、STAEDTLER Mars Lumograph (鉛筆) も良いは良いが他の上質紙と同程度で矢張り万年筆向けに調整してある印象。まぁボールペンや鉛筆は書き心地を犠牲にどんな紙でも一定の品質で書ける安定性重視のものですので極端に良い紙を使うものでは無いんですが。

で、問題は裏抜けですが…

透け、裏抜けまったくなし! 合格!!

万年筆での使用感についてはミドリや Life SCHÖPFER より上で今までの中では一番かな。もちろん好みの範囲はあるだろうけど。

¥950 という価格や、表紙の和紙っぽいフォーマルさ、明治・大正的なレトロ感、入手しにくさが利用者を選んでいる感じはあります。どうだろ、購買対象者としてはそこそこお歳を召した手書きで原稿用紙に書く世代の人や、プロの物書き業の人、万年筆愛好家あたりのニッチ市場を狙った商品コンセプトかな。ユーザ体験が書く事に向いていて、広い世代でカジュアルに使われたり身近に置いておきたくなるような万人向けではない感じ。何とかスキンみたいにそこらへんの UX やプロモを上手くやれば世界で通用する品質ではないかなと思うんだけど。

2014年9月2日火曜日

万年筆と相性の良い定番ノート比較

万年筆ってものは書き心地が命です。インクはすぐ切れる、放っておくと出なくなる、指先は汚れる、とタダでさえ面倒な代物ですが、それをおしてなお使いたくなるのは筆記の気持ちよさです。気持ちの良い筆記感の万年筆はどんどん良い文章を書きたくなりますが、書き心地が悪ければただ手間がかかるだけで使う価値はありません。

万年筆の面倒さの一つに紙との相性で書き心地が左右されやすいことがあります。せっかく良い万年筆を買っても紙と合わなければ最悪の一言に尽きます。しかも必ずしも高価なノートなら良いというわけではなく、万年筆の使用者は人柱と試行錯誤を繰り返しながら自分の筆記感やペンとの相性の良いノートを探し続けるという宿命にハマります。

という訳で、万年筆向けにもう少し良いノートが欲しいと思う人が人柱をしなくても済むように、私が今まで試したノートの個人的な使用感をまとめてています。全体としては概ね以下の図のようなグループに分けられます。

使用した万年筆は Parker SONET ORIGINAL MWATERMAN PERSPECTIVE FWATERMAN METROPOLITAN ESSENTIAL FCROSS CLASSIC CENTURY Medalist F、インクは PILOT iroshizuku 竹炭 (カートリッジ専用の Medalist は純正品) ですので、厳密にはこれらの万年筆/インクとの相性です。あくまで主観ですので好み、ペン、インクなどで簡単に逆転し得ますよ。

万年筆と相性が良いノート

この章で紹介しているノートは一般的な万年筆であればにじみも透けもほとんど出ずペンの滑りも滑らかな部類のものです。ハズレはないと思いますので、あとはデザインの好みや価格で選んで良いものを選んでいます。万年筆以外でもガラスペンや筆ペンのようなインク、水筆を使うペンにも向いています。

満寿屋 MONOKAKI N3

使用感はこちら。滑らかで軽すぎず重すぎない筆記感。もちろん引っかかり感はありませんし、筆跡もにじまず透けや裏抜けもありません。今のところミドリやライフを押さえて満寿屋の MONOKAKI が一番良い筆記感です。さすが文豪たちが愛用した老舗の原稿用紙メーカーだけはあります。

すき紙っぽさや罫線のレトロロマンな見た目の好みが分かれそうです。プレゼント用であれば定年退職されたご親族の自分史綴りに万年筆とセットで送ってみてはいかがでしょうか。

Traveler's Note
ミドリ MD ノート

ミドリの紙は滑らかできめ細かく万年筆から鉛筆まであらゆる範囲で高い筆記感です。もちろん気になるようなにじみや透けはありません。MD (無地) は持ち歩きで設計のアイディアがひらめいた時にそれを図にするため使っています。

ミドリ トラベラーズノート

MD と同様ににじみや裏抜けがなく高い筆記感です。使うほどに味が出る革製のカバーに好きなリフィルを挟んでゴムで止めますので、一般的なノートというよりシステム手帳のような嗜好です。リフィルには白紙、方眼、月間/週間スケジュール、画用紙等々様々な種類があります。一社ながらリフィルの種類もそろっているし、使い終わったリフィルを保管するバインダーなども出ていて、長く愛用してもらいたいミドリの姿勢がうかがえます。

旅やアウトドアなどのプライベートなスポット予定、メモ書き用に使っています。

Traveler's Note Traveler's Note
ライフ SCHÖPFER A5 N65

ミドリと同等の高い書き心地です。個人的な筆記感で言うとミドリがドライ、ライフがウェット(マット)な印象を持っていますが、満足感に大きな差異はなくどちらを選ぶかは純粋に好みで良いと思います。個人的に落ち着いて文章を書くのに向いているようで、考えをまとめながらの草稿書きに使用しています。

ライフ NOBLE NOTE RULED B6 N30

ネットで評判を見る限り万年筆の定番ノートでしょうね。ミドリや同じライフの SCHÖPFER 同様に書き心地はかなり良いです。若干ザラ感があるような気がしますが天気や湿度の関係かもしれません。一般的な 7mm 罫は F あたりの細めの万年筆向けで、M や B あたりの太さですと 8-9mm 罫が適しているかなと思っています。NOBLE NOTE RULED は 8mm ですし、M, B あたりの太めのペン先でもにじみや透け、裏抜けは無く、滑りも気持ち良く万年筆には最適なノートです。100シートと枚数も多めですのでバリバリ文章を書く人や長期の日誌等を付けている人には長く愛せるノートでしょう。持ち歩き用なら40シートの SCHÖPFER、机に据え置きなら100シートの NOBLE NOTE という使い分けでしょうかね。

Traveler's Note
マルマン Mnemosyne 183

これも主観の範疇ですがミドリ、ライフより若干ウェット感とザラ感が高い印象があります。ニーモシネはプロジェクト、プランニング、アイディア等々の機能面でのバリエーションが豊富なので万年筆と相性の良い機能ノートでは択一になるのではないでしょうか。

RHODIA dotpad

お勧めできる紙の中では一番ウェット感が高くペン先の滑りが重いかなという印象はありますが、これはこれで書きごたえの高さにはなりますので好みの範疇ではあります。カバーなどのオプション品も豊富にあります。

程度を確認してから使いたいノート

ペン先の滑りは良好ですが濃いめの透けや若干~気になる程度のにじみ、裏抜けなどが出るタイプです。ペン先のサイズ、固さ、インクの色や粘度、量等々によっては許容範囲を超えたり超えなかったりの相性が出てくるラインですかね。F, EF あたりの太さで固めのインクであれば気にならないかも知れません。あるいは片面書きでしか使わないと割り切っているなら問題はありません。

ZEQUENZ 360° RollUp Journal
撥水性カバーで柔軟性が高く、丸めても 360 度開いても問題ない頑丈さが安心できます。書き味は RHODIA 並のウェット感というかもっちり感というか。太いペン先では透けや裏抜けが気になるかな、というところです。Roll Up Journal であればそもそも両面書きしないのであまり問題ではありませんけどね。
ZEQUENZ RollUp Journal w/ CROSS MEDARIST F (純正カートリッジインク)
ciak: standard
詳しい雑感はこちら。 外装はソフトカバーですが撥水合皮に丸ゴムが付いて持ち歩きに便利です。万年筆の滑りは良いんですがにじみと透け、若干の裏抜けがあります。ただこの個性的なカラーバリエーションと厚みのある独特のどっしり感が好みな人もいると思いますので、それを押しての選択もアリかと思います。
ciak standard
無印良品: 上質紙滑らかな書き味ハードカバーノート A6 横罫
「滑らかな書き味」をうたっているので OEM でそこそこ良い紙の提供を受けて作っているのかなと思い試してみましたが、許容範囲になるかどうかの透けや裏抜けが見られました。またカリカリした感じで引っかかり感もありました。

万年筆には不向きなノート

引っかかりが多くにじみ、裏抜けの程度が相性の問題を超えるノート。ボールペンでも水性や太めのものは同じように裏抜けします。ここらへんは中性・油性ボールペンや鉛筆向けと割り切った方が良いと思います。

ツバメノート B5無罫 N3049
文房具界隈では紙質に定評がありペンの滑りも良いんですけど、万年筆では気になる透けや裏抜けが出てきます。巷の評判とだいぶ違う感じでしたのでインク (PILOT iroshizuku) との相性が悪いのでしょうか? 別の種類を試した方が良かったかな?
ツバメノート
ダイソー MOLESKINEもどき
コスパ最強。100円で買えるだけあって MOLESKINE 並のにじみと裏抜けあり。加えて紙、ゴム、糸しおり、接着剤等々ちゃっちくて耐久性もなさそうですが、ボールペンや鉛筆で使うならわりとアリではないかなと思います。安いので見かけたら試してみて下さい。
MOLESKINE

プロモーションが上手いだけに万年筆初心者が踏む地雷ノート。ボールペンでも 0.7mm あたりの太めではにじみや裏抜けが出ます。価格からするとコスパ最悪ですね。様々なペン先やインクを試してみても時間とお金の無駄なだけですので、ストレスがたまる前に諦めて買い換えるなりボールペン専用にするなりした方が良いですね (ちなみに私は片面書きにしました)。

MORESKINE PROFESSIONAL NOTEBOOK w/ Parker SONET (iroshizuku竹炭)

試していないもの

同じメーカーの同クラスであれば同じ紙を使っていることが多いんで多くは試してないです。気になっているノートとしては Rollbahn (ロルバーン) はまだ使っていないです。